MOTORED RUNNER
MOTORED CYBORG
RUNNER
“TRAPEZIUM_Ⅳ”
ENGINE SPEC
Type / 4 Stroke Narrow angled Trapezoidal V4 with Twin scroll Turbo
Displacement / --cc
Bore /
--mm
Stroke / --mm
Compression Ratio / --
Max Output / 0ver 100PS(est.)
モータードを超えたモータード。
それがトコヨの企業連が推し進めるモトリザイア・プロジェクトの中で生み出された“トラペジウム_Ⅳ”の開発コンセプトである。
トコヨ中心部のストリートシーンで広まったモータード文化は サイボーグ・マーケットに新たな需要とノウハウをもたらし、その市場規模は大手サイボーグ製造業者にとっても 無視できない物となっていた。これを受け企業連は 水面下でモータード市場参入と合法化に向け動きだす事となる。
その一環で生まれたと言われているのが、“企業レベルの開発スケールで どこまで高性能なモータード・フレームを作れるか?”という着想のもとスタートしたモトリザイア・プロジェクトだ。
当プロジェクトは秘密裏に進行され、 深夜、貨物車両の通行が閉鎖された時間帯の旧首都高において 開発データ収集のための走行テストが繰り返された。
極限まで高速化したそのフレームは大気中のナノマシンを利用した高度な空力制御なしにはまともに走行できず、出走はナノマシン濃度が高い日に限られるという。
その試験形態から、”深夜のナノマシンが濃い日、首都高にとてつもなく速い奴が現れる”という噂がストリートの走り屋達の間で拡まるのにそう時間はかからなかった。
この噂の伝播は将来のプロモーションを見据えた意図的な物であったものの、噂の正体を確かめようと首都高に繰り出す者・テスト機に追いつこうとする者は後を絶たず、企業側の思惑以上にその熱狂はエスカレートしていくことになる。結果的に当プロジェクトはモータードの過剰な高速化の助長による死亡事故の増加と モータード取り締まり強化の一因となっていくのだった。
トラペジウム_IVは旧日系外資企業のシグノシス技研が開発したテスト機体。
トゥールビヨンのごとく精密な狭角V型4気筒ツインスクロール・ターボエンジンを搭載する。排気量や出力は不明だが、ナノマシン空力制御も相まって最高速度は200km/hを優に超えたという記録が残されており、“あの速さはモータードというより もはや4輪(つまり自動車)を突き詰めていった時のそれに近い”という評価が当機のもつポテンシャルを端的に表している。
これだけの性能であれば制御系統も相当なレベルの物が要求されるが、当機がAIによる完全自動制御なのか、それとも製品開発への反映のため人間の脳核をベースとした統合制御が確立されているのか、その実態は定かではない。