1980年代、ソフトビニールキットの常識を遥かに超えたシャープな造形や細やかなディールを持つスーパーアイテムを産み出していたマックスファクトリー。当時の技術を惜しみなく投入したソフビキット「サーバイン」はガレージキット界に大きな衝撃を与えました。そして今、そのサーバインが組立て式プラスチックモデルとして再び降臨します。メリハリあるプロポーション、ナイフのようなエッジ、今も色褪せないスーパーキットをその手に。
協力:ホビージャパン
発売当時のソフビキットをパーツ単位で3Dスキャン、ソフビならではの歪みや変形を厳密に修正しつつ150mmサイズに凝縮しました。その際に、薄くなりすぎるエッジや細かくなりすぎるディテールも限界を攻めて調整し、元のキットと遜色ないパーツにしました。通常の3D原型作業ならばシンメトリーにする腕や脚も左右それぞれスキャニングし調整、MAXサーバインの「再現」を目標としてまさに倍の作業量をかけて構築しています。
MAXサーバイン発売の翌年に製品化されたDX版には、出渕裕氏により新規にデザインされたスペシャルベイルが付属し、MAXサーバイン専用オプションパーツとして注目を集めました。
もちろんPLAMAXサーバインにもスペシャルベイルが付属、当時MAX渡辺自身がディテールを入れた裏側も忠実に再現しております。
ソフトビニール組み立てキットをメインに開発、発売していたガレージキットメーカー時代のマックスファクトリーにとって、サーバインは忘れることのできない代表的一作です。出渕裕氏の手による画稿が発表された当時の驚きと興奮はいまだ記憶に新しいこと。ダンバインと基本を同じくしながら、恐獣等生物をパーツとして使ったその裏設定に倣い、有機的な曲面で構成された禍々しくも優美なその姿に、僕らは一発で虜となりました。原型製作には社内スタッフ総がかりで半年近くジックリと取り組み、望みうる最高の造型を目指しました。製品の成型技術に関しても絶妙の分割とパーツ精度が相まって「奇跡のソフビキット」と称されたのです。
そんな記念碑的造型物〝MAXサーバイン〟が、驚異的な進化を遂げた3D技術により、プラモデルとなって蘇ることになります。当時を知る方々ばかりでなく、今初めて目に触れる方
にとっても新鮮な驚きをもって受け入れてもらえるであろう一品になろうかと思います。僕自身、1日でも早くパーツが並ぶランナーを愛で、組み立て、塗りたい。マックスファクトリー造型の一端に触れるチャンス、お見逃しなく。
ぶっちゃけまっくす放送局番外編